妊婦さんは初期から後期までの10か月間お腹の中で一生懸命赤ちゃんを育てます。
その中で赤ちゃんへ胎盤から酸素や栄養を送るために必要なのが血液です。
出産に備えて母体はたくさんの血液を作り出します。
妊娠中に増える血漿(けっしょう)は約50%増加、赤血球は約20%増加すると言われています。
ですが、赤血球の増加が血漿の増加より少ないため貧血が起こってしまうのが主な原因なのです。
妊婦さんの全体の2割が貧血を発症します。
妊娠前に貧血になったことがない人でももちろん発症する可能性はあるので是非参考にしてみてくださいね!
ヘム鉄と非ヘム鉄の違いは?
貧血を予防するために必要なのは母体に鉄分を補うことで予防することができます。
鉄分には種類があり、ヘム鉄と非ヘム鉄という鉄分があります。
ではこの二つの違いは何なのでしょうか?
・ヘム鉄
ヘム鉄とは、肉や赤身の魚、レバーなど動物性の食品から摂れる鉄分のことで身体に吸収できる吸収率は約30%と言われています。
身体に直接吸収しやすいのはヘム鉄だと言われています。
・非ヘム鉄
非ヘム鉄とは、緑黄色野菜や植物性食品、卵や海藻から摂ることのできる鉄分のことで吸収率は約7%とヘム鉄に比べてかなり少ないです。
・キレート鉄
キレート鉄は非ヘム鉄を加工した成分で、アミノ酸とクエン酸が非ヘム鉄へ結合し出来上がる新しい成分のことです。
非ヘム鉄を効率よく吸収力を上げることができますが吸収率が上がるので摂取の際には摂取量をしっかりと気をつけて摂ることが大切です。
妊婦さんが必要な鉄分
・妊娠初期
初期の妊婦さんに必要な鉄分量は約8.5mg~9.0mgといわれています。
妊娠初期に起こりやすいのはつわりで思うように食事が摂れず貧血になる場合です。
食べれるものを食べれるだけ、といわれる妊娠初期に毎日貧血を気にして食事を摂れる人はかなり少ないでしょう。
ですが妊娠初期に貧血をおこすとのちのち重症化していく場合もあります。
食事で摂れない鉄分はサプリメントなどで補うと良いでしょう。
・妊娠中期
妊娠7か月頃から血漿(けっしょう)が増加するため赤血球が少ないと血液が薄まり、貧血を1番起こしやすい時期です。
妊娠中期の鉄分摂取目安は約17.5mg~21.5mgと初期の倍程度の鉄分を摂取しなければなりません。
妊娠中には何度か検診時に貧血検査をしますがここで引っかかると重症化しないために鉄分のお薬を処方してもらったりサプリメントで補う事が大切になってきます。
初期に貧血だった方は対策をしないとどんどん悪化することもあるので要注意が必要です。
・妊娠後期
妊娠後期に入ると後期つわりがある方もいるのではないでしょうか?
その場合また上手く食事を摂れなくなり上手く鉄分を食事から摂取することが難しくなります。
妊娠後期は中期と同じく鉄分摂取目安量は約17.5mg~21.5mgと言われています。
食事にするとかなりの量を食べなければいけません。
貧血の主な症状はこちらです。
・だるさや疲れ
・視界が悪くなる
・動悸や息切れ
・めまい、たちくらみ
・顔が青白くなる
・無性に氷を食べたくなる
このように貧血の症状が重くなる前にお医者さんへ相談することが大切です。
・産後、授乳期
授乳期には妊娠初期の頃と同じ約8.5mg~9.0mg程の鉄分を摂取しなければなりません。
なぜなら、母乳は血液でできています。
毎日10回以上母乳を上げるかたもいるなかで貧血は特になる可能性が高く、ママさんのお話を聞く中で、妊娠中よりも授乳期はかなり貧血気味だったという方もいました。
つわりもおわり、食事を摂る時間がなかなかない中ですが上手に鉄分を補給していきましょう。
非ヘム鉄のサプリメントは比較的安価で手に入れることが出来ます。
ドラッグストアに置いてあるものや、ショッピングモールの赤ちゃんコーナーにも置いてあります。
食事での鉄分摂取
食事で鉄分を摂取したい場合もありますよね。どのような食材を食べれば鉄分が摂取できるか紹介していきます。
ヘム鉄の場合
ヘム鉄の場合は肉や赤身魚から無理のない程度に摂取しましょう。
また、鉄分といえばレバーが有名ですが、赤身の魚や、あさりの水煮などの貝類にも鉄が多く含まれています。豚や鶏のレバーは、1食分で1日の摂取推奨量の1/2量以上をクリアできる食品です。
ただし、レバーを摂りすぎるとビタミンAの過剰摂取になり赤ちゃんへの影響の心配が出てきます。適量を必ず摂るようにしましょう。
非ヘム鉄の場合
非ヘム鉄の場合は、ほうれん草・パセリ・乾燥青のり・小松菜などの緑黄色野菜や卵や納豆を食べることで摂取します。
ですが吸収率が低いため、豆腐やブロッコリー、ケールやレモンなどの吸収力を高める食材と一緒の摂取をすると良いでしょう。
上記の通り、納豆や豆腐など大豆食品にも鉄が多く含まれていますので、日本食のようにお味噌汁を添え、一汁三菜をそろえた食事は鉄補給におすすめです。
注意しなければならないのが、貧血防止にと思いながら無理にたくさんの鉄分を摂取しすぎてしまうことです。
鉄分の過剰摂取は、嘔吐や下痢、便秘の症状を引き起こします。
また、それに伴い合併症を発症してしまう場合もあるので適量を必ず摂るようにしましょう。
まとめ
今回はヘム鉄と非ヘム鉄の違いや妊婦さんに必要な鉄分についてご紹介しました。
妊娠中気を付けていてもどうしてもなりがちな貧血ですが上手に乗り越えるために参考になれば良いです。
貧血が辛い…というかたは絶対に我慢はせずに必ず産婦人科のお医者さんに相談しましょう。
出産までは大変なことも多いですが、その代わり生まれた赤ちゃんは宝物のように思えます。生まれたての赤ちゃんを記念に残すニューボーンフォトについても、横になりながらゆっくり見てみてください。
赤ちゃんが産まれるとニューボーンフォトを探す時間もなくなりますし、本当にあっという間に時間が過ぎ去ってしまいます。
生まれた瞬間の姿を残すことで育児に疲れたときにも写真を見返すことで元気が出ますし、大きくなったあとも大変素敵な思い出になりますよ。
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