妊娠中の運動は、ストレス解消や便秘の改善、体重のコントロールや体力づくり、などとたくさんの良い点があります。ですが、逆に動きすぎるとママの体やおなかの赤ちゃんに負担になることも。
この記事で妊娠中のママが動きすぎるとおなかの赤ちゃんにどのような影響があるのかを知って、普段の生活で思わぬ不調を起こさないように、気をつけて体を動かしていきたいですね。
Q:妊娠中は体を動かしてもいいの?
A:ママや赤ちゃんに問題がなければ大丈夫
適度な運動は、安産や体力づくり、産後の回復力の高さにも影響すると言われています。妊娠前から運動を習慣的に続けていたママは、妊娠を機にやめる必要はありません。
ですが、妊娠するとつわりや貧血の症状が出たり、体も心もデリケートになります。運動量やその負荷を普段の約70%に抑えるようにしましょう。
ただ、そもそも普段から運動をする習慣がないママは、新しく始めるのは安定期まで待ちましょう。特に妊娠初期は流産の可能性が高いです。この時期の流産は母体が原因ではないことがほとんどで、運動が原因になることはないと言われていますが、安定期に入り、ママも赤ちゃんも正常な健康状態の場合のみ、少しずつ無理のない範囲内で行っていきましょう。始める前に医師に相談しておくと安心ですね。
Q:動きすぎてしまうとどうなる?
A:おなかが張り、最悪な場合は早産になってしまうことも
まず妊婦が動きすぎると、子宮の収縮が起こり、おなかが張りやすくなってしまいます。また子宮は疲労でも収縮するため、散歩程度の運動でも、長時間行うとおなかが張ってしまいます。
おなかがあまりにも頻繁に張ると、出血してしまったり、最悪の場合は切迫早産になってしまう可能性もあります。仕事によっては、ずっと動いていなければならないママや、立ちっぱなしのママもいると思います。おなかが張ってしまったら、様子を見て、休ませてもらうようにしましょう。
Q:妊娠中、やめた方がいい運動は?
A:妊娠中は体のバランスが取りづらくなっている
妊娠中はホルモンの作用によって、骨盤がゆるみやすくなっている状態です。
またおなかの重さで姿勢が前のめりになっているため、平らな場所で運動を行うようにしましょう。
不安定な場所だとバランスを取ろうとして足腰に負担をかけるため、足腰に不調が表れることもあります。
具体的なやめた方がいい運動
(1)体を大きく動かす運動
妊娠中に貧血になってしまうママも多く、大きく体を動かすとめまいや立ちくらみを起こし、転倒してしまう可能性があります。
(2)腰をひねる動きや、おなかを圧迫する動きがある運動
(3)体がぶつかってしまう恐れがある運動
特におなかを強くぶつけてしまった場合、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)を起こしてしまうことがあります。
常位胎盤早期剥離とは、妊娠中の早期に胎盤が子宮から剥がれてしまうことで、おなかの赤ちゃんは胎盤から栄養や酸素をもらっているため、胎盤が子宮から剥がれてしまうと、赤ちゃんも危険な状況になってしまいます。
母子ともに命にかかわることなので、体がぶつかってしまう恐れのある運動はやめましょう。
(4)心拍数が過剰に上がる運動
妊娠中はおなかが他の内臓を圧迫していることもあり、動悸や息切れに悩まされるママも多いです。その上、心拍数が過剰に上がるような運動をすると、子宮への血液量が下がって、赤ちゃんへ十分な酸素が届かなくなってしまう可能性があります。
(5)体温が上昇するような運動
ママの体温上昇は、おなかの赤ちゃんにも伝わります。妊娠初期の体温上昇は、赤ちゃんの体の器官形成に何らかの影響を与える可能性があるため、暑い環境で行う運動や、激しく汗をかくような運動はやめましょう。
(6)自転車の運転などの振動する運動
買い出しや上の子の送迎などで、自転車に乗る必要があるママもいると思います。自転車の振動がおなかに伝わることで子宮が収縮し、おなかが張りやすくなってしまうため、なるべく乗らないように気をつけましょう。
また睡眠不足やホルモンバランスの影響で、普段よりも瞬時の判断力が下がっていますので、事故や転倒した場合のリスクが大きいことからも、なるべく控えましょう。
妊娠中におすすめの運動
・マタニティスイミング
水の中ならば転倒の危険性は低く、足腰の負担も陸より少ないです。足のむくみ改善にも効果的な面も。ただし体が冷えすぎないように気をつけましょう。更衣室やプールサイドなど滑りやすい場所も多いので、注意したいですね。
・マタニティヨガ
最近では、市町村が主催している教室などもあります。そういったところで出産前にママ友をつくるのも良いですし、リラックス効果も大きいです。ただし、ホットヨガはママの体温上昇や、脱水や貧血をまねく恐れがあるので、やめましょう。
・ウォーキング
近所を歩きながら、授乳スポットやオムツ交換台のあるトイレを探したりするのも楽しいですよ。ただし、長時間歩くとおなかが張ってきてしまうため、長くても60分以内にしましょう。
運動を控えた方が良い場合
ママや赤ちゃんの状態によっては、運動をなるべく控えた方が良い場合もあります。
下記のような症状がある場合は医師の指示に従いながら、体に負担のかからない生活を心がけていきましょう。
・ママに持病がある(特に心疾患)
・前置胎盤
・頸管無力症
・出血がある
・過去に自然流産をしたことがある(3回以上)
最後に
安定期に入り、母子ともに問題がないようならば、医師に相談の上、体を動かしていきましょう。出産も子育ても体力勝負です。妊娠中に体力をしっかりとつくって、赤ちゃんを迎えていきたいですね。
ニューボーンフォトの撮影中にママとお話をしていると、ニューボーンフォト撮影を楽しみにすることで妊娠中のつらいことも頑張れたという話題がよく出てきます。
そういった、出産後の楽しみみたいなのも合わせて持っておくと、マタニティライフを楽しめるかもしれません。ニューボーンフォトについてはこちらの記事もごらんください。
2021.09.10
ニューボーンフォトとは
ニューボーンフォトとは、新生児の時期限定で撮影する赤ちゃんの記念写真のこと。 北米やヨーロッパでは、生まれたての赤ちゃんのフォトカードを遠方の家族や友人に送る習慣があり、工夫をこらしたニューボーンフォトの撮影文化が普及しはじめました。 ここ数年の間でその流れが日本にも上陸し、新生児期にしかできな...
赤ちゃんが元気で生まれてきてくれるためにも、しっかり体を温めて、出産までの残されたマタニティライフを楽しんでくださいね。
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