妊娠後期はママのおなかも一気に大きくなり、出産に向けて体が「赤ちゃんを産み出しやすくするために」変化していく時期です。
妊娠初期に比べて、この時期に今まで以上の不調を感じるママもいます。妊娠後期に出てくる不調をあらかじめ知っておくことで安心することもできますので、ご覧いただければ幸いです。
おなかが大きくなることによる不調
おなかの赤ちゃんは、この時期にはすっかりと体の器官ができあがり、これから体重を増やして大きくなっていきます。
赤ちゃんが大きくなることに比例して、ママのおなかも大きくなり、この時期から妊娠線が目立ち始めるママも。
大きなおなかによって、ママの内臓や骨に負担がかかり、さまざまな不調が体に表れます。
前方(足元)が見えなくなる
おなかが大きくなることによって、足元が見えづらくなります。臨月頃には自分の足が完全に見えないなんてことも。
歩きづらくなることはもちろん、足元が見えづらいので、転倒もしやすくなっています。特に階段など段差のあるところでは、足を踏み外しやすくなっているので、手すりにつかまるなど十分に気をつけましょう。
腰痛、恥骨痛、足の付け根の痛み
妊娠初期から、腰痛や足の付け根の痛みに悩ませられるママも少なくないと思いますが、妊娠後期ではそれらの痛みがピークに達します。
出産日が近づき、赤ちゃんが下りてくることによって恥骨が圧迫され、恥骨が強く痛むなんてこともあります。また妊娠中はホルモンの作用で、骨盤の関節がゆるみやすくなっているため、骨盤のゆがみによる不調が表れることも多いです。
〈対策〉
・妊婦用の骨盤ベルトや腹帯を使う
腰や骨盤を支えることによって痛みが和らぐこともあります。その際は正しい使い方を助産師さんや病院の先生に確認しましょう。
・ストレッチやマタニティヨガ
妊娠中は優先的に赤ちゃんに血を送っているため、ママの体の血のめぐりが悪くなっています。ストレッチやマタニティヨガで程よく体をほぐして、血のめぐりを良くしましょう。腰痛や他の痛みに効くストレッチや、ヨガのポーズもあります。
その他の方法としては、痛みが強い部分をホッカイロなどで温めるのもおすすめです。
後期つわりが始まる
大きくなった子宮が胃を圧迫するため、胃に負担がかかります。胃液が逆流しやすくなり、妊娠初期のような胃もたれや胸やけの症状が出てくることもあります。
この項目では後期つわりの対策をご紹介していきます。
〈対策〉
・消化に良い食べ物をとる
食物繊維や脂肪の少ないものをとると良いでしょう。主食なら食パンやうどん、おかゆ。お肉ならササミなどの脂肪が少ないもの。野菜ならにんじんや大根、小松菜、ほうれん草、かぼちゃなどがおすすめです。
・「右側が下」の姿勢で寝る、横になる
胃と十二指腸は体の右側でつながっているため、胃が少しでもスムーズに十二指腸に食べ物を送ることができるよう、右側が下の姿勢でいると、胃もたれが和らぎます。
・食事は1日5~6回、少量ずつ
一度にたくさんの量の食事をとると、その分の胃酸が分泌され、胃に負担がかかってしまいます。空腹時も胃酸による刺激で痛みが起きやすいので、空腹にも満腹にもならないよう、3回の少量の食事を基本に、軽食や消化の良いおやつなどを挟んでいきましょう。
ひどい眠気、寝つきの悪さ、睡眠不足
妊娠後期に入ると、女性ホルモンの分泌が増えます。プロゲステロンというホルモンによって眠気は増すのですが、エストロゲンという睡眠の質を下げるホルモンも同時に出ているので、「眠いのに、うまく眠れない。眠れたとしてもすぐに目がさめてしまう」といった状態になってしまいます。
また大きくなってきた赤ちゃんの胎動によって、夜に起こされてしまうなんてことも。おなかが大きいために、寝返りが打てず、一定方向でしか眠ることができないというのも、睡眠の浅さの原因になっています。
〈対策〉
後期つわりの睡眠対策としては下記のような基本的な項目になります。ただ、知っているのと実際に行うのは違ってきますので、1度試してみていただければ効果を実感できると思います。
・日中に適度な運動をする
・昼寝(30分程度)をする
・寝る前に安眠用のBGMを流す
・クッションや抱き枕を使う
他にも、クッションを背中に重ねて入れて、リクライニングベッドのようにしていたという先輩ママも。病院では「シムス体位」という妊娠中でもリラックスして睡眠がとれる寝姿勢をすすめられることもあります。
出産に対する不安
何度経験したって、無事におなかの赤ちゃんが生まれてきてくれるのか不安になるものです。初めての赤ちゃんの場合はなおさらのこと。また出産が近づくにつれ、おなかの張りや痛みも増えることから、心配は尽きません。
特に妊娠後期はホルモンバランスの影響で、イライラしやすくなったり、感情の起伏が激しくなることも。まずは「出産に対する不安や恐怖は当たり前」と思って、自分を責めないでくださいね。
〈対策〉
・体を動かす
激しい運動は禁物ですが、リラックスできる音楽をかけながら、軽く体を動かしたり、深呼吸してみましょう。日中に体を動かすことは安眠にもつながります。ただし、切迫早産や妊娠高血圧症候群などで安静が必要なときは、無理しないようにしましょう。
・準備を整える
赤ちゃんの洋服の水通しや、病院に持っていく出産バッグの中身の確認、当日の流れや連絡先の確認など、出産に向けて準備をしていきましょう。何かをしていると気が紛れますし、可愛らしいベビーグッズを見ているうちに楽しみな気持ちもわいてきますよ。
・誰かに相談する
話を聞いてもらうだけで気持ちが軽くなることもあります。家族や友人に相談するのも良いですが、妊婦専用の相談窓口「妊婦ホットライン」もあります。
最後に
妊娠後期は体の不調はもちろん、出産に対する不安や心配から、精神的にもしんどくなる時期です。
ですが、そこを乗り切ればあとちょっとで赤ちゃんに会うことができます。赤ちゃんに一目会えたらすべての苦労が飛んでいってしまいますよ。赤ちゃんを迎える準備を心身ともに整えながら、最後のつらい時期を乗り切っていきましょう。
ぜひこの時期に、生まれたての赤ちゃんを記念に残すニューボーンフォトについても検討してみてください。「ニューボーンフォトを撮るのが楽しみで妊娠時期を乗り越えられました」と言ってくださる方も実際にいらっしゃいます。
赤ちゃんが産まれるとニューボーンフォトを探す時間もなくなりますし、本当にあっという間に時間が過ぎ去ってしまいます。育児中の疲れたときにニューボーンフォトを見ていただいて、出産の頃を思い出すことでまた育児へのエネルギーが湧いてきますので記念の1枚をぜひ。
2021.09.10
ニューボーンフォトとは
ニューボーンフォトとは、新生児の時期限定で撮影する赤ちゃんの記念写真のこと。 北米やヨーロッパでは、生まれたての赤ちゃんのフォトカードを遠方の家族や友人に送る習慣があり、工夫をこらしたニューボーンフォトの撮影文化が普及しはじめました。 ここ数年の間でその流れが日本にも上陸し、新生児期にしかできな...
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